モンスターマシンにさようなら
時は平成元年。
限定解除した勢いで買った GSX-R1100。
とにかく軽くてパワーがあるので、
私のようにサーキットを走るわけでもない街乗り女子には宝の持ち腐れ。
でも、いま振り返るとライディング講習会に参加したり
自宅の前で段ボールに横たえて引き起こしの練習をしたり。
なんとか乗りこなそう、と頑張っていたっけなぁ。。。
忘れもしない、これは納車後10日くらい経った頃の写真。
栃木市の某所、山の駐車場にて。
笑ってますが、実はこの直前にタチゴケして大泣きしてます。
たぶん、反対側のウィンカーレンズは割れてます。
写ってないけど。
納車記念に写真を撮りに行こう、と彼氏に誘われたので
団子と卵焼きが名物の小高い山に行ったんです。
山の登り口、団子屋の前の細いカーブで
エンストしたらタチゴケしまして。
アクセルの開けが足りなかったんでしょう。
そして右が山側、左が谷側なのにクセで左足を出した。
(教習所や試験場では停止する時に右足をついたらアウト。
ですからどんな時もとっさに左足が出てしまう。今もそう。
ほんとこれ、良し悪しなんです。)
・・・キャーッ!地面が無い!!
ガシャーーーン☆
彼氏はすでに全開バトルフィールドへ走り去った後(笑)
無残にも谷側に倒れてビクともしないバイクと格闘していたら、
道端の団子屋からサラリーマン風の男性が走り出てきて
起こすのを手伝ってくれました。
ウィンカーの破片を拾っていたら、たたみかけるように
店から出てきた団子屋のおばさんに怒鳴られました。
「あんた、自分の乗ってるバイクも一人で起こせないで!
情けないねまったく!!」
その通りだ、と思ったら涙が出てきました。号泣。
ついて来ないことを変に思った彼氏はUターンしてきたんでしょう。
いつのまにかそばにいて
「気にすんな。」
と言ったけど、私の気持ちは晴れず。
その年、大型連休には宮城~秋田~岩手をまわるツーリングにも行き
毎日の通勤にもGSX-R1000を使っていたけれど、やっぱり
私にとってのモンスターは最後までモンスターだった。
恥ずかしいことに何百回練習しても、
このバイクだけは一人で起こせるようにはなりませんでした。
買って半年後の最後の記念写真。
総走行距離2500kmでさようなら。
この子はこの後、交通機動隊員が買ったと噂に聞きました。
職業柄、どこでネズミ取りをしているか知っているから、
だいぶブン回して乗っているらしい・・・なんて武勇伝も。
悔しいような、気が済んだような
なんとも複雑な気持ちになった覚えがあります。
私はこの子のかわりに、中古のHONDA BROSプロダクトワンを連れてきたんですが
このモンスターのローンの残債、この後3年間きっちり支払いました。
手元にバイクが無いのに(苦笑)
無鉄砲だった私に、
お買いものは計画的に!と教えてくれた・・・GSX-R1100。
勇ましくもほろ苦いモンスターマシンの思い出でございます。