ツマグロヒョウモンという蝶のこと
幼稚園の先生になるには実習が必要で、
わたしも学生時代には教育実習をしたわけです。
幼稚園に通う男の子のなかには必ずいるもんです・・・虫博士が。
連れてきちゃうんですよ・・・お教室に。
プリンのカップにうじゃうじゃダンゴ虫。
透明ケースには、ケツにトゲの生えたイモ虫。
目玉の模様で、つっつくとバビョ~ンと臭いツノが出るアゲハの幼虫。
みんなみんな生きているんだ、友達なんだ!!そうです。
そんなお友達を園に同伴(笑)しても良いのかどうか?は
教育方針にもよるのでしょうね。
私が実習した園は教会母体の幼稚園だったせいか、お咎めなしでした。
子どもたちが連れてきた“おともだち”を教室の棚の上で飼っていたりもしました。
実習中のある日、藤棚の下で外遊びを見守っていると
「あっ!せんせー、せんせーの背中にケムシがいる!!」と
女の子たちが騒ぎだしたので、長くてキモい虫がだいっきらいだった私はパニック!
「うわーーーっ!うそ?!ほんとに?!ぎゃあ~~~~~!!
取って!誰か!!お願いーーーー!!!」
その場でぐるぐる回って地団駄を踏んでいたら、
虫博士の男の子が走り寄ってきて、素手でサッと振り払ってくれました。
地面に落ちたケムシは1cmくらいのチョメなほど。
助かった!ありがとね、ありがとね!!としつこく言う私に、
「それ、毒じゃないから。」
と冷静に言い放ち去っていく4歳の虫博士・・・。
カッコイイ。
なのに大人でまがりなりにも先生、と呼ばれている私はこの体たらく。
これじゃだめだ、と決心して虫と仲良くなることにしました。
感情より意思を優先するのです。
当時はインターネットなど無かったので図鑑で調べたりもしました。
毒があるのか?無いのか?
蝶になるのか?蛾になるのか?
気持ち悪い・・・とばかり思っていた虫も、
見続けていると不思議に慣れてくるものです。
山椒の木から件の幼虫を見つけてきて、無事にアゲハ蝶が巣立った日には
とても感動したことを覚えています。
ところで、そんな私が一昨年初めて出会った幼虫がツマグロヒョウモンです。
ニガテな方もいらっしゃると思うので、チラ見せ♡
黒と橙のハーレーダビッドソンなカラーリング(笑)
実はこの蝶、2002年以前は東日本では見られなかったそうです。
ここだけの話、私もこの見た目ゆえ、てっきり毒虫だと思い込み
一昨年は駆除してしまいました。
なんとなく調べてみたら綺麗な蝶になることを知り、
去年ビオラが枯れる頃にちょうど現れたので保護してみたところ
無事に羽化。4匹保護したうち♀が1匹、♂が3匹でした。
今年は幼虫をケースに入れたら、
なぜか元気が無くなってしまったので放し飼いのまま。
不安定な場所にサナギを作った1匹だけをケース内に保護。
無事に羽化しました。羽の白い模様は♀のしるしです。
もふもふ長女ちゃん!お手々が出ちゃってるけどそれ、おともだちだからね(笑)
雨が上がったので、ケースの蓋を開けて庭へ。
旅立ちの時は、自分で決めてくれるでしょう。
外出から帰ってきたら、ケースは空になっていました。
あれ?早くも里帰りかしら・・・と思いましたが違う個体。
これは♂です。
デートに誘いに来たのかな。
羽化を待つサナギのきょうだい。
リベットみたいなメタリックな模様が不思議です。
もちろん金属の輝きではなく、薄い膜がこのような模様を作りだしているとか。
4匹いたはずなのに、サナギは2個しかありません。
自然は厳しいのですね。。。
このビオラにも2匹いたはずなのに、いなくなっていました。
サナギも見当たりません。
鳥に食べられてしまったのかもしれません。
この蝶が関東地方に住みついたのは温暖化の影響もあるのかな?
人が作った花苗の流通経路にも因るのでしょう。
それを思うと手厚く保護するのもいかがなものか?と思うところもあります。
そっと見守るくらいがいいのかもしれませんね。
ちなみに婚家の家紋は丸に揚羽蝶。
私の愛しのヘリテイジクラシックにも、いつか蝶のピンストを入れたいな。