最近読んだ本☆2021.3月〜その2
第164回直木賞受賞作「心淋し川」
(うらさびしがわ)を読みました。
作者は西條 奈加さん。
時代背景は江戸。
心川という川沿いに住む人々の
人間模様を描いた大衆小説です。
私は時代小説を読むのがあまり得意ではないのですが、
この本は短編に分かれて書かれていて、
難解な言葉も使われていないので、
すんなりと読めました。
(作家さんによっては、辞書を片手にしないと読めない作品もあります)
私が幼い頃は、治水が今ほど良くなくて
町の其処此処に川の淀みがありました。
生活排水が流れ込んだりしていて、
そこだけ別の生態系のような。
同じ水の、同じ川なんだけれど。
そんな原風景を思い出しました。
人の世の厳しさと人情の暖かさが
織り交ぜて書かれていて、
読後感はほっこりと良かったです。